大阪で少林寺拳法 〜 金剛禅総本山少林寺 大阪高槻道院

金剛禅絵本プロジェクト

Posted on 2016年06月29日
絵本

 

今年の道院長研修会で本山から発表された事業の一つに、「金剛禅絵本プロジェクト」というのがあった。

会場では、少林寺拳法と絵本(゚Д゚)ハァ?みたいな雰囲気満載な感じにはなりましたが、目的としては「はぐくむ拳法」の一つのあり方として、推進していこうという提案らしい。

 

少林寺拳法健康プログラムもそうなんですが、「人を増やす」「人を育てる」「社会に貢献する」ということが、ややごっちゃになって事業が発表されるので、事業名称だけ聞くと、少林寺拳法となんの関係が、と思いがちになる。

 

「はぐくむ拳法」は幼年から少年の心を育てる少林寺拳法のあり方、というイメージで捉えると、「きたえる拳法」とは違うことがはっきりとわかる。

 

武道団体の一つとしての少林寺拳法は、元々は「きたえる拳法」を中心に広がっていき、次世代を担う青少年の育成が主な課題でした。

少林寺拳法が創始されてからまもなく七十年が経過し、少林寺拳法の修行に励む世代も、かつての青少年は、孫を持つ世代となり、かつての少年は子を持つ親世代になりました。

現役拳士数の構成も、青少年が中心というよりは、少年と高齢者が中心になりつつあり、「きたえる拳法」一辺倒では、なかなか厳しい時代になったのは、否定できないと思います。

そんな時代の変化の中で、「人を育てる」という活動を、主たる行である少林寺拳法の修練以外に、何が出来るだろうか?と考えた結果提示された一つの例が、「絵本プロジェクト」なんだろうなぁと思います。

 

最初は絵本かぁと思ったんですが、絵本といっても対象年齢によって中身がずいぶん違うんですよね。

僕の娘は、どんぴしゃで絵本を必要とする年齢ですが、彼女が普段読んでいる絵本は、「がんばってひらがな読もうねー」みたいな内容なので、それほど深い事は書いてないんですが、少し年齢が進んだ子向けの絵本になると、文章こそひらがなで書いてありますが、「文字を読むための絵本」から、「中身を理解する絵本」に変わってくる。

この「中身」というのが、幼年~少年の心の教育に役立つように描かれているので、いってみれば、「道徳心」を養うために描かれた絵本、という感じなってたりします。

 

金剛禅の教えの中心は正しい釈尊の教え、なのですが、正しい釈尊の教えは、「正しい道徳心を持つ」という言葉に置き換えても、それほど違和感はありません。

鎮魂行の時に読み上げている「道訓」も、道徳心教育を行うためのもので、「人として正しく生きるためにはどうすれば良いか」ということを文章にしています。

この道徳心を養う方法を、子供にもわかりやすく伝える手段の一つとして、絵本を上手く使う、という事であれば、少林寺拳法と絵本というのがつながってくると思います(^^)

 

で、実際に使用する絵本を買いにブックオフに行ってきたんですが、絵本って古本でも高いですねぇ( ̄▽ ̄;)

新刊で買えば平気で2500円とかするんですから、なかなか一度にたくさん買いそろえるというのはしんどいですが、とりあえず売り場にあった絵本を手にとって、少林寺拳法の教育方針に一番合ってそうな絵本を二つ買ってきました(=゚ω゚)ノ

 

「ママがおこるとかなしいの」 金の星社 2006年

「ずっと まもっているよ」 福音館書店 2013年

 

の二冊なんですが、ママがおこると、の方は結構グサッ!と刺さったかなっ( ̄▽ ̄;)←基本よく怒る

要約すれば、相手の話を聞くということと、自分の気持ちを素直に言葉に出す、という事を伝える絵本なんですが、相手の話をよく聞かずに一方的に怒るのはイカンというのを、絵本で教えられました(-ω-;)ふぅぅぅ

ずっとまもっての方は、様々な動物たちを例に挙げて、親は一生懸命子供を守っているという事を伝え、今の君たち(子供達)も親が一生懸命守っているんだよ、だから君たちが大きくなったら、今度は君たちの子供を守ってあげるんだよ、という内容。

「親の心、子知らず」を戒められる一冊ですねっ…(-ω-;)ふぅうぅぅ

 

金剛禅絵本プロジェクトがどこまで全国に広がるかわかりませんが、中にはいい本もあると思うので、上手く活用してもらえればいいですね(^^)

 

(北野)