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いじめの体験談を話すのはなかなか難しい

2010年7月14日 11:19 | | トラックバック(0)
昨日の読売新聞のニュースなんですが、中学校の先生が自身のいじめ体験を生徒におもしろおかしく話したところ、生徒がずっと笑い続け、最後に「授業つぶれちゃったね」と言われたことに腹を立て、体罰を加えた、というものがあった。

その記事を引用してみると、

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「公開処刑だ」いじめ体験笑われた先生、体罰
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100713-OYT1T00814.htm
(2010年7月13日20時11分 読売新聞)

 自分のいじめ体験を笑われたことに腹を立て、生徒に体罰を加えるなどしたとして、さいたま市教育委員会は13日、市立土呂中学校の男性教諭(30)を戒告の懲戒処分にした。

 教諭は1年期限の臨時教員で、同日付で依願退職した。

 発表によると、教諭は6月4日午後、担任を受け持つ1年生の道徳の授業で、「泳ぎが苦手なのに水泳教室のコーチにプールに投げ込まれるいじめに遭った」とする幼少期の体験をユーモラスに語った。泳げるようになったことを伝えても生徒の笑いは収まらず、終了のチャイムが鳴った際に「授業つぶれちゃったね」と発言した男子生徒(12)にかっとなり、ほおを平手でたたいた。さらに、「公開処刑だ」と言って立たせ、近くの黒板をたたいたり、いすをけったりしたという。

 生徒にけがはなく、その後も登校しているが、教諭は学校を休み、7月5日に退職届を提出していた。教諭は「伝えたいことが伝わらなかった。感情的になった」と話しているという。
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この先生はいじめ体験をわかりやすく伝えたい一心で、話を聞いてもらうためにおもしろおかしく話をしたのだろうけれども、結果としてそれが伝わったかどうかわからないままに、生徒にからかわれてしまい、最後には逆上して体罰を加えてしまった。


この事件の問題は、体罰を加えてしまった、ということだけれども、いじめ体験というのは本人にとっても大変トラウマになっている部分でもあり、それを赤裸々に語った後からかわれてしまうと、逆上してしまいたくなる気持ちはわからなくもない。

だけれども、そもそも「おもしろおかしくユーモラス」に語っているわけだから、生徒たちがあまり深刻にとらえずに、軽い気持ちで聞いていたという部分もあるんだろう。

そういう状況を考えると、やはり逆上して体罰を加えたのは筋違いで、真剣に聞いて欲しかったのであれば、つかみはユーモラスに語っても、最後はシリアルにならないといけなかったと、僕は思う。

まして、この先生のいじめ体験の話は、「水泳教室のコーチにいじめられた」という話だ。その話をしながら、一方で自分の生徒を平手打ちし、「公開処刑」と宣言して立たせ、脅すように黒板や椅子を蹴るという、いじめ類似行為をしてしまった。

これではやはり、いくら逆上してしまったとはいえ、話に説得力がないのではないかと思う。


ちょっと前に公開された「告白」という映画が話題になっていますが、あの映画、CMでみたときと実際に映画を見たときとでは、ものすごい内容にギャップがあって、なんていうか、いじめ問題をものすごくえぐい形で表現している映画になる。

この中でも、松たか子演じる教師が、淡々と自分の子供が事故で死んだ話をしているなか、生徒たちはまるで興味を示さずに騒ぎ続けるシーンがある。

生徒たちが松たか子の話を聞くようになるのは、その内容が「事故」から「殺人」に変わっていき、その犯人がこのクラスの中にいる、という話をきいて、初めて真剣に聞くようになる。


映画「告白」の例は極端だとしても、いじめ問題というのは基本的にはとてもシリアスでセンシティブな話だ。

いじめの問題について、本気で何かを伝えたいと思うのであれば、その根底にある闇の部分を包み隠して語ってしまっては、その話を理解しなかった相手の心ない発言によって、元の木阿弥になってしまう。

いじめの体験談を赤裸々に話し、その上で本人たちの身近な問題でない相手、あるいは仮に身近な問題だったとしても、自分たちが直接の被害者・加害者でない相手に伝えたいことを理解してもらうのは、本当に大変なことだと思う(・・)(。。)


まして、いじめの加害者達は、いじめの体験談を話す相手すらも、いじめの対象として見かねないのだ。


(北野)

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