大阪で少林寺拳法 〜 金剛禅総本山少林寺 大阪高槻道院

一発殴られただけでも、死ぬときは死ぬ

Posted on 2010年02月17日

アメ村 三角公園
今日は朝から大阪府が発行するプレミアム付商品券の買い出しに、高槻の販売箇所を何カ所か回っていたんですが、プレミアム付商品券の買い出しに夢中になってたせいで、保険会社との待ち合わせをすっかり忘れていた北野です( ̄▽ ̄;)

保険会社と何の話をしたのかと言えば、道院内で修練をする拳士の方々が、もし怪我をしたときのための保険の加入についての話をしました。

またこの保険についてのお話しは別途書こうと思うんですが、稽古中の事故というのはどういうものがあるか、いくつか紹介してみたいと思います(=゚ω゚)ノ

■打ち身・打撲■

稽古中の怪我で一番多いのが、おそらく「打ち身・打撲」だと思います。

少林寺拳法は突いたり蹴ったりしてくるのに対して、手で受けます。手で受けると言っても、バチコーンとまともに受け止めるのではなくて、ちゃんと受ける角度や受ける場所というのがあって、それをきちんと守って受けている分には、そう怪我をするモンではありません。

ところが、入会してまもなかったり、あるいは興奮してきてやりやったりしていると、まともに蹴りを手で受け止めたりするので、青タンが出来る「打ち身・打撲」を経験します。

打ち身・打撲程度の怪我というのは、まぁ多少受け方が良くなかったね、ぐらいな程度で済むので、湿布を貼るとかしていれば結構すぐに治るんですが、この打ち身・打撲を超えたダメージを食らうと、次の「骨折」になります。

■骨折■

僕も少林寺拳法の修練中に骨折を何回かしたことがありますが、骨折と言ってもレントゲンに思いっきり骨折線が写るような骨折から、オカルト骨折みたいにエコーで撮っても写らないような骨折もあります。

ヒビでも診断書上は骨折扱いになります。

突き蹴りによる骨折も起こりますが、柔法の修練中に、投げ技の理論を正しく理解せずに力任せにぶん投げたり、巻き込んだりすると、これも骨折の原因になります。

いずれにせよ、骨折というのは通常以上の力が加わったときに起こる怪我なので、やたらめったら力任せに叩いたり投げたりしないことが、事故防止の第一歩となります。

■転倒■

次に、突き蹴りや投げ技による直接的な怪我ではなくて、これらの技を避けそこねる、あるいは受け身を取り損ねる、投げ技の投げの角度が悪すぎるときに、「転倒」という事故が起きます。

転倒というのは、文字通り「転んで倒れる」という事になるのですが、前向きに転ぶ際には手が出るので結構平気なんです。問題は、「後ろ向き」に倒れたときが危険です!

今日のニュースになるんですが、こんな悲しい事件が大阪の若者の街アメ村で起きました。

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傷害致死容疑:京産大学生死亡 建設作業員の少年逮捕
https://mainichi.jp/select/today/news/20100217k0000e040067000c.html
2010年2月17日 12時8分 毎日Jp

 大阪・ミナミの「アメリカ村」路上で先月、京都産業大経済学部4年、志野洋祐さん(22)=京都府大山崎町=が男に殴られて死亡した事件で、大阪府警南署は17日、大阪市内の建設作業員の少年(19)を傷害致死の疑いで逮捕した。同署によると、少年は「口論になって殴った」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は1月8日午前4時20分ごろ、同市中央区西心斎橋2の飲食店前の路上で、志野さんの顔を1回殴って転倒させ、6日後に死亡させた、としている。志野さんは転倒時、後頭部を地面に強く打ち付けたという。

 志野さんは「クラブ」と呼ばれるダンスを楽しむ飲食店を友人らと訪れ、少年らのグループとトラブルになったという。【茶谷亮】
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記事にも書かれているように、亡くなった学生は、顔を一発殴られ、「転倒」した際に後頭部を打ち付け、亡くなられました。

少林寺拳法の乱捕りの大会でも、同じような事故で拳士が命を落とし、その後乱捕りが大会で行われなくなったという経緯があります。

「転倒」という事故は、
本人が予想できない形で倒れ込むため、事前に防御することが出来ない事が多々あります。

普段の稽古中でも、投げられるという意識を持って投げられているときと、想定していない角度から力が加わって投げられるときとでは、危険度が何倍も異なります。

「転倒」は防げる事故ですが、防ぐためにはお互いが技をかけているときにその技の危険度を十分理解している必要があるし、大切な事は「無理をしない」という事です。

たった一発の突きが顔面に入っただけでも、それを受けた側が真後ろに倒れ込んでしまうと、アメ村の事件のような結果になってしまうんです。

■スポーツ安全保険の加入をオススメします■

こういった様々な怪我や事故に対して、不幸にも治療や入院といった事が起こってしまった場合、そこにはお金がかかってきます。

修練中の事故による治療・通院・入院時に、スポーツ安全保険に加入していると、治療費が支払われます。掛け金も、年間で一人1150円~1600円程度なので、必ず加入するようにお願いします。

スポーツ安全保険は道院で団体申し込みをします。申し込みは道院で行いますが、補償対象は拳士個人個人に対しての補償となります。

また来月に平成22年度のスポーツ安全保険の概要が発表されましたら、所属拳士のみなさんにご案内と加入のお願いをさせていただきます。

■スポーツ安全保険について■
スポーツ安全協会
https://www.sportsanzen.org/index.html

(北野)